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2024年10月9日

Fender Custom Shop の”エイジング”の種類と特徴



今回は現行の Fender Custom Shop 製品のエイジングの種類とそれぞれの特徴をまとめてみました!
少しでも参考になれば幸いです!



●ギターの”エイジング加工(レリック加工・エイジド加工)”とは
エイジング(レリック加工・エイジド加工)とは、新品でありながらヴィンテージギターの如く、そのギターが”長年使いこまれたような”状態や風合いを特殊な加工によって再現することで、1990年後半頃から Fender Custom Shop のオーダー品としてエイジング加工されたギターが登場し始め、2009年に Fender Custom Shop “Time Machine Series” として正式に登場し、いまでは大きな市場を形成しています。
ギター以外のモノだと、ダメージ加工されたジーンズがわかりやすい例かと思います。

●エイジングの種類とそれぞれの特徴
Fender Custom Shop のエイジングは、それぞれのコンセプトや経年変化に合わせて、現在(2024年.10月)以下の8種類が主に採用されています。

・NOS
・Time Capsule
・Closet Classic
・DLX Closet Classic
・Journeyman Relic
・Relic
・Heavy Relic
・Super Heavy Relic

※モデルによっては塗装の仕上げはRelicで、ハードウェアの仕上げはCloset Classicというような、塗装とハードウェアの仕上げが異なる組み合わせもあります。

■NOS = New Old Stock
過去、新品で製作・販売されたモデルが、購入されたものの現在まで一切使用されず、使用によるキズや摩耗、塗装のクラックやハードウェアの変色等の経年の変化が”何も起きていない状態のモノ”。
これから自分の手で弾いて、外観も含めてこのギターを育てていきたいという方にお勧めです。
・新品同様の状態。


■Time Capsule
Time Capsuleは、使用によるキズやクラック等の経年変化が一切起きていない”NOS仕上げの塗装”と、僅かな変色やくすみ等の経年変化が発生した”Closet Classic仕上げのハードウェア”が同居する仕上げ。
・ハードウェアに僅かな経年変化が起きているだけの、新品同様の状態。


■Closet Classic
過去新品で製作・販売されたモデルが、購入され現在まで一切使用されなかったが、長年保管されていた中で、ボディ/ヘッド表面に生じたわずかなキズ、光沢を失った塗装面や僅かな塗装のクラック、ハードウェアの僅かな変色や酸化/くすみ等の”経年による微妙な変化が発生しているモノ”。
「ある日親戚・祖父母の家の倉庫や屋根裏で偶然見つけた、今となっては大変珍しいギター」というイメージです。
・使用による消耗はないが、僅かなキズと塗装やハードウェアに僅かな経年変化がある。


■DLX Closet Classic
過去新品で製作・販売されたモデルが、購入され現在まで一切使用されることなく、長年にわたって丁寧に手入れされ、「新品同様に保つことを誇りに思っていたオーナーの元にあったギター」というコンセプト。
時が経ったことによる塗装面の独特な艶感と適度なウェザーチェック、ハードウェアの酸化/軽度の変色等の”経年による熟成的変化が発生しているモノ”。
・塗装面やハードウェアにポジティブな経年変化が見受けられるのみの状態。


■Journeyman Relic
「Journeyman = 旅人」という意味の通り、幾人かのオーナーのもとを渡ってきたギターというコンセプトが根底にあり、それぞれのオーナー達に愛されながら丁寧に扱われてきたというイメージです。
丁寧に扱われてきたとはいえ、演奏による幾らかの消耗と、ジャムやセッションで生じたキズ、経年による塗装のクラックやハードウェアの変色が発生した状態のモノ。
「Relic」とありますがほかのRelic仕上げと違い、エルボーコンターに塗装剥がれが無いのが特徴です。
・いくつかの小さなキズがあり、使用による消耗もみられ、塗装やハードウェアに経年変化がある。


■Relic
長年様々なセッションやツアーで使用されてきた使い古しのギターというコンセプト。
ヘッドからボディまでキズや打痕が見受けられ、塗装のクラックやハードウェアの変色・クスミは勿論、エルボーコンターの大きな塗装剥がれや、ネック裏の生の木材が一部露出するほどの塗装剥がれが生じた状態のモノ。
・ネックからボディにかけて木部が露出するほどの小さなダメージがいくつか見受けられ、塗装やハードウェアに経年変化がある。


■Heavy Relic
「Heavy Relic」はRelicよりもさらに長い期間ハードに使用されてきたギターで、その姿に歴史や重みを感じる歴戦の「功労者」といえるギターです。
ボディのエルボーコンターやバックコンターに大きな塗装剥がれがあり、平均してボディトップの10~15%ほどの塗装が剥がれています。塗装のクラックやハードウェアの変色も当然起きており、ネック裏の塗装も大部分が剥がれ、木の肌そのままに近い質感を感じることができます。
・ネックからボディにかけて全体的に塗装剥がれを伴うダメージが見受けられ、塗装やハードウェアに経年変化がある。

■Super Heavy Relic
Fender Custom Shop のエイジング加工の中で最も重い加工がこの「Super Heavy Relic」。
ギター全体のあらゆる箇所が極度に摩耗しており、木部にまで到達するダメージが付いています。塗装下地までも広い範囲で剥がれており、一見”新品”のギターが加工されて付いたダメージとは到底思えない程です。角ばっていた箇所は場所により削れて緩やかになっており、他の仕上げとはギターに触れた際に感じる質感が異なります。
この「Super Heavy Relic」は初めて握る個体であっても、まるで”自分が長年弾き続けてきたギター”かのような、自然なフィット感が得られます。
・ネックからボディにかけて全体的に大きなダメージが広い範囲で見受けられ、木部が大きく露出している。

その他の仕上げ
「Lush Closet Classic」
「Ultra Relic」
「Ultimate Relic」



いかがでしたでしょうか。
今回のブログで少しでも「面白い」「ためになった」と思っていただけたら幸いです。



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